ひなまるせんせい

毎朝、目が覚めて窓から見上げる空は、ドヨ〜ンとした鈍い色。
最近青い空を見たのはいつだったろう。
どこもかしこもジットリしていて、気分も湿りがち。

畑では種なし処理が終わり、ブドウの粒が大きくなっていくのに合わせて「摘粒」を急いでいる。
摘粒を終えてから「袋かけ」なので、ここはスピーディーに進めたいところ。
でも、房の最終形を想像しながら余分な粒をひと粒ひと粒ハサミで切り落としていく作業は、なかなかスピードアップできるものではない。じれったいけど、地道にチョキチョキと、だ。

夕方私が帰宅した後も、園長は畑で一人ハサミを動かす。雨の中、ヘッドライトの灯りを頼りに続ける作業はしんどいだろう。蚊もブンブン寄ってくるしね。
一日でも晴れてくれたら…。ブドウの葉っぱはパリッと乾いて、ヒナの毛皮はふわふわ太陽の匂い。私たちのハサミも軽やかに動くというもの。
あぁ、明日こそお日様出るかなぁ。

「そろそろ花が咲き始めました」と、ブド・ボラさんに花セット作業会の案内を出したのが先々週の土曜日のこと。
ところが、連日３０℃超えの猛暑が続き、３日後に畑は一気に花盛りとなってしまった。
想定外のスピードに作業会の招集が間に合わずパニック！

「セットが間に合わない・・・」とあきらめかけていたとき、滑り込みで集まってくれたブド・ボラさんたちが猛然とハサミを動かしてくれて、フタを開けたら無事にセットを終えることができていた。
ひとえに、愛あるブド・ボラさんの汗とハサミさばきの賜物です。
心から感謝いたします。

というわけで、今年のジェットコースターはのっけから絶叫と共に谷底へ滑り落ちた感じだったが、最初の難所をクリアして気分は上々。
当分このまま気分よく滑りたいなぁ。

ブドウの花のほんの先端だけを残して、あとは切り取る

















セット完了！