やまぶどうの収穫始まる
今年は長雨の影響で粒が割れたりして、私も落ち込んでしまった。
でも、これは自然の中で糧を得る者の宿命。努力で何とか回避できる場合もあるし、できないこともある。
芽吹きの時はサルハ虫の洗礼を受け、夏の雨に打たれながら文句ひとつ言わずに実りをもたらしてくれた小公子たち。
収量は減ったけど、彼らからの精一杯の恵みに感謝したい。
↓ 初収穫を祝って神様にお供え
やまぶどう畑では、小鳥と狸とテンと穴熊とスズメバチとが、人そっちのけでブドウにかじりついている。
彼らは昼ひなかに、人目をはばかることなく堂々と畑に出入りしている。
ブドウの魅力の前には、人も犬もたいした脅威にはならないようだ.
小鳥と狸とテンと穴熊は、人が近づくと場所を開けてくれるが、
スズメバチは人のほうが遠慮せざるを得ない。
畑に近寄るとブ~ンというたくさんの低い羽音がハモっていて、怖いことこの上ない。
ブドウを握ると、裏側で汁を吸う大きなスズメバチを一緒に握ってしまうことも。
ハチはブドウに夢中で少々のことで刺したりしないが、心臓によくないので皮手袋をすることにした。
手は防御したものの、ブドウ棚の下を歩くだけで前後左右からバシバシぶつかってくる。
そのたびにヒヤヒヤしている。
そのうち、ヘルメット姿で畑をうろつく怪しい人影を目撃することになるかも・・・。
やまぶどうワインの陰に園長の命がけの収穫あり…というお話でした。
とてもブドウらしい香りがするキャンベル。
作業場に1房あるだけで、時折フワッとかおっては記憶の底がくすぐられ、癒される。
子供のころ、ブドウといえばデラウエアとベリーAとキャンベルだった。
そのどれもが、今の主流「種なし・大粒・甘味重視」の高級ブドウとは違い
小粒で、種があるものもあったし、甘味も酸味も濃い庶民的なブドウ。
夕ご飯の後に、洗って瑞々しいブドウが皿に盛られてくると嬉しかった。
小さな粒を、姉妹で争いながら次々にチュルッと吸い込んで、瞬く間に1房平らげた。
そのときの味と香り、お腹いっぱいに満たされた記憶は色褪せない。
そんなこんなで、ワタクシ的にブドウの原点ともいえるベリーAとキャンベル。
幸せな記憶に結びつく美味しいブドウを作ろう、という思いを忘れないためにも、少しだけ作っている。
今回はそのキャンベルでジュースの試作をしてみた。
香りと色がとてもいい!ベリーAはかなり甘味が強いが、キャンベルは果物らしい甘味と酸味のバランスが活きている。
美味しいジュースができそうだ。
でも今年はジュース用に量を確保してなかったので、来秋の楽しみにとっておくとします。
左がキャンベル、右は紅高